「ウルラの森」へようこそ! 今回は、火山が育む情熱の国、中米グアテマラのコーヒーを特集します。
ウルラの森のブラウンと、新しい味に挑戦したいグリーンの会話を通して、グアテマラコーヒーの全貌と、希少な「ピューマ」の名を冠した逸品の秘密に迫ります!
こんにちは!ウルラの森のグリーンです。
最近、ブラジルやペルーなど南米の豆を色々試してきた僕ですが、今日はもっと「力強くて、でも上品な甘さ」がある豆を探して、ブラウンのところへやってきました。

ねぇブラウン!なんだか強そうな名前の豆を見つけたんです。『グアテマラ サンアグスティン ピューマ』。グアテマラのコーヒーって、そもそもどんな特徴があるんですか?それに、このピューマって……?
コーヒーをドリップしていたブラウンが、深く豊かな香りと共にふり返りました。

いいところに目をつけたね、グリーン。グアテマラは、コーヒー好きが最後に行き着く『王道の完成形』と言ってもいい。そしてそのピューマ……それは、サンアグスティンという小さな村が守り抜いた、最高品質の証なんだよ。
太陽と火山の国、グアテマラコーヒーの基礎知識

グアテマラって、確か中米ですよね?どんな環境でコーヒーが育っているんですか?

一言で言えば『火山の恩恵』だね。グアテマラは国土の多くが山岳地帯で、そこかしこに火山がある。その火山灰を含んだ豊かな土壌(ボニート・ソイル)が、コーヒーに複雑なミネラルと力強さを与えるんだ。
グアテマラコーヒーは、世界中のロースターから絶大な信頼を寄せられています。
その特徴は以下の3点に集約されます。
- 豊かな酸味とコクのバランス: 爽やかな酸味がありながら、後味にはしっかりとした甘みとコクが残る
- チョコレートやナッツのニュアンス: 特に深煎りにした時の「チョコ感」はグアテマラの代名詞
- 多様なマイクロクライメット: 産地によって、花のような香りから、スパイシーな風味まで、地域ごとの個性が非常にはっきりしている
グアテマラの格付け「SHB」が意味する天空の厳しさ

豆の名前に付いている『SHB』って、何かの略ですか?

それはグアテマラの最高ランクを示す称号、Strictly Hard Bean(ストリクトリー・ハード・ビーン)の略だよ。
グアテマラでは、栽培される「標高」でランクが決まります。
SHB(標高1,350m以上): 酸素が薄く、寒暖差が激しい過酷な高地。ここで育つ豆は、ゆっくりと時間をかけて熟すため、密度がギュッと詰まって硬くなる(ハードビーン)。その分、成分が凝縮されて、深いコクと気品ある酸味が生まれるんだ。

標高が高いほど、豆は強く、美味しくなる。まさに天空の贈り物だね。
選ばれし勇者の称号「ピューマ」が守る神秘の森と生命のバトン

それじゃ、ブラウン。いよいよ本題の『サンアグスティン ピューマ』について教えて!

そうだね。『サンアグスティンピューマ』と聞いてグリーンはどう思うかな?

ピューマという名前には、単なるブランド名以上の『願い』が込められているんですか?

その通りだよ、グリーン。このコーヒーが育つサンアグスティン地区は、まさに『奇跡のバランス』で成り立つ場所なんだ。
険しき山岳地帯が生む「力強さ」と「清らかさ」
サンアグスティン地区は、グアテマラ南西部の険しい山々に囲まれた、本来は乾燥した地域です。
標高1,400〜2,000メートルという高地に位置し、土壌には火山活動がもたらした豊富なミネラルが蓄えられています。
面白いのは、その過酷な乾燥地帯の中腹に、豊かな湧き水がコンコンと湧き出していること。
- 乾燥した大地の力強さ: 厳しい環境が、豆に凝縮された生命力と複雑なフレーバーを与えます。
- 湧き水の清らかさ: その貴重な水で精製(ウォッシュド)されることで、驚くほどクリーンで透き通った味わいに仕上がります。
まさに「剛」と「柔」が同居する、知る人ぞ知る高品質なコーヒーの聖地なのです。
野生動物とコーヒー農園の共存「ボルカフェ・ウェイ」
しかし、今この美しい地にも危機が迫っています。
森林伐採や密猟、そして都市開発による交通事故によって、かつてこの地の主だった野生のピューマたちが姿を消しつつあるのです。

この状況を打破するために立ち上がったのが、輸入元であるボルカフェのプロジェクト「ボルカフェ・ウェイ」です。

このプロジェクトは、単に美味しい豆を買い取るだけじゃない。野生のピューマの棲息地となる森林を保護するよう農家に働きかけ、環境負荷の少ない持続可能な栽培方法を広めているんだ。
あなたの一杯が、ピューマの未来に
このコーヒーには、私たちの未来に繋がる「ギフト」が隠されています。
1ポンドあたり10セントの寄付 コーヒー豆の売り上げの一部は、現地の野生ピューマ保護団体である『パンテラ・グアテマラ』に寄付され、生息域の保全活動に役立てられています。
傾斜の多い山岳地帯で、森林とそこにある生態系を傷つけないよう丁寧に育てられた「サンアグスティン ピューマ」。
この一杯を選ぶことは、グアテマラの深い森を駆け抜けるピューマたちの足音を守ること、そのものなのです。
ピューマ・ウォッシュが放つ圧倒的なチョコレート感

さあ、実際に淹れてみよう。
香り(アロマ): 粉を挽いた瞬間、ダークチョコレートのような濃厚な甘さと、わずかにローストしたカシューナッツの香ばしさが漂います。
味わい(フレーバー): 口に含むと、まずはグアテマラらしい「凛とした酸味」が顔を出しますが、すぐにキャラメルのような濃厚な甘みが追いかけてきます。
質感(ボディ): 非常にフルボディ(重厚)。舌の上にずっしりと残るオイル感があり、飲み終えた後も上質なココアのような余韻が長く続きます。

わあ……すごくリッチな味!苦いだけじゃなくて、最後にはちみつのような甘さが残りますね。
『サンアグスティンピューマ』を輝かせる!シナモン流「深煎り抽出術」

ピューマの持つ重厚なコクを引き出すには、少しコツがいるのよ。
お湯の温度は「83℃〜85℃」: 少し低めの温度でじっくり淹れることで、トゲのある苦味を抑え、とろけるような甘みを引き出す。
蒸らし時間は長めに(40秒): 豆の密度が高い(SHB)ので、中心までお湯を浸透させる時間をしっかり取る。
ドリッパーは「KONO(コーノ)」がおすすめ: さっきの記事でも紹介したけど、お湯を適度に溜めるコーノ式は、このピューマの「ボディ感」を最大化してくれる。
まとめ:日常を少し贅沢にする重厚な一杯『サンアグスティンピューマ』

グリーン、どうだい? ピューマの力は感じられたかな?

はい! まさにピューマが夜の森を優雅に歩いているような……強さと美しさが両立した一杯でした。仕事が終わった後の自分へのご褒美にしたいです。
グアテマラ「サンアグスティン ピューマ SHB」。
それは、火山の土壌と、アンデスに負けない高地、そしてボルカフェの技術指導など、多くの情熱が重なって生まれた傑作です。
ウルラの森では自家焙煎したコーヒー豆を『ULULA COFFEE ROASTER』で販売しています。


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