「ウルラの森」へようこそ!
今回は、日本でもファンの多いコーヒー大国インドネシアを大特集!
独特の精製方法が生み出す「大地の香り」と、これまでのインドネシア豆のイメージを覆す、
驚くほどフルーティーで爽やかな衝撃の一杯、「クリンチマウンテン・コピ・ジェルク」を深掘りします。
イントロダクション:道具部屋に満ちるインドネシアの「森」の香り
こんにちは!ウルラの森のグリーンです。
今日のシティの道具部屋は、いつになく「力強くて、でもどこか爽やかな香り」に包まれています。

ねぇシティ、これ……なんだか雨上がりの深い森の中にいるような、すごく落ち着く香りがします。でも、鼻をくすぐるこの酸味は……柑橘系ですか?

おっ、いい鼻をしてるね。今日はインドネシア・スマトラ島から届いた特別な一皿、『クリンチマウンテン・コピ・ジェルク』を準備しているんだ。インドネシアらしい力強さと、信じられないようなフルーツ感が共存した、まさに『ハイブリッドな傑作』だよ。
そもそも「インドネシアのコーヒー」ってどんな豆?

インドネシアといえば、やっぱりマンデリンですよね? ずっしり重くて、苦味が強いイメージです。

そうだね。まずはインドネシアコーヒーの唯一無二の個性を支える『スマトラ式(ギリン・バサー)』についておさらいしてみよう。
コーヒー豆の個性を決めるのは、実は「乾かし方」にあります。
一般的なウォッシュドの製法と、インドネシア独自のスマトラ式の違いを見てみましょう。
工程の比較ステップ
| 工程 | 一般的なウォッシュド (洗ってから乾かす) | 独自のスマトラ式 (生乾きでむく) |
| ① 皮むき | 果肉を除去する | 果肉を除去する |
| ② 乾燥(1回目) | カラカラになるまでしっかり乾燥 (水分13%程度まで) | 表面だけさっと予備乾燥 (水分30〜40%の生乾き) |
| ③ 脱穀 | 乾燥後に硬い殻(パーチメント)をむく | 生乾きの柔らかい状態で殻をむく! |
| ④ 乾燥(2回目) | なし(すでに終わっている) | 裸になった豆をもう一度しっかり乾燥させる |
なぜ味が変わるの?(メカニズム)
ウォッシュドの味:【クリーン&シャープ】
硬い殻に守られた状態でゆっくり乾くため、豆の品質が安定し、その土地本来のクリアな酸味や香りが引き立ちます。
スマトラ式の味:【ワイルド&どっしり】
殻を早くむいて「裸」にすることで、豆が直接空気に触れます。
この時に独特の微細な発酵が起こり、あの「大地(アーシー)」や「ハーブ」のような複雑なコクが生まれるのです。
口当たりがどっしりと重く、酸味が控えめなのが特徴で、世界中の「コク派」を虜にしています。
味わいイメージ図
ウォッシュドのイメージ
- 晴れ渡った青空
- キレのある酸味
- 透き通った紅茶のような透明感
スマトラ式のイメージ
- 雨上がりの深い森
- ずっしりとした重厚なコク
- スパイスやハーブ、チョコレートの余韻
「神の永住地」から届く、コピ・ジェルクの正体

そんな重厚なインドネシア豆の中で、この豆はどうしてこんなにフルーティーなんですか?

それは、この豆が育った『クリンチマウンテン』の環境と名前に秘密があるんだ。
スマトラ島の富士山「クリンチマウンテン」

標高3,000メートルを超え、現地で「神の永住地」とも呼ばれる美しい国立公園。
その姿はまるで日本の富士山のようです。
生産地はインドネシアのジャンビ州 クリンチマウンテン周辺

コーヒーが作られているのは、その裾野にある標高1,500メートル付近。
霧がかかったかと思うと青空が覗き、急に雨が降る……そんな天候の変化が激しい場所で、コーヒーの木はじゃがいもや唐辛子、広大なお茶畑に囲まれて育ちます。
驚きの「四季」が同居する木
この地域では、1本の木に「蕾・花・緑の実・赤い実」が同時に成るという不思議な光景が見られます。
そのため、年間を通して収穫が行われ、爽やかな甘みと穏やかな酸味が絶妙なバランスで蓄えられるんだ。
名前の由来:コピ・ジェルク=「オレンジ・コーヒー」
「コピ」はコーヒー、「ジェルク」はインドネシア語で「オレンジ(蜜柑)」を意味します。
その名の通り、完熟みかんをギュッと絞ったような鮮やかなフレーバーが最大の特徴です。
4. 【フレーバー解説】雨上がりの森と、完熟みかんの多幸感
シティが丁寧にドリップした一杯を、グリーンが一口。

(ゴクリ)……! なんですかこれ!? 最初にくるのは、確かにマンデリンらしい『大地のコク』。でも、そのすぐ後に、甘酸っぱいみかんの風味が追いかけてきます!
味わいの三層構造
アタック: 濡れた土やフレッシュなハーブのような、スマトラ島特有の野性味。
ボディ: とろりとしたバターのような質感。重厚な甘みが舌の上に乗る。
フィニッシュ: オレンジやグレープフルーツを思わせる、明るくクリーンな酸味。後味には黒糖のような甘さが残ります。
テイスティングノート:表情豊かな「大地のシトラス」

この豆は、あまり深く焙煎しすぎていない中深煎りの豆を選ぶのがおすすめかな
ビターチョコのような重厚さが増します。深煎りでありながら、ハーブティーのようにスッキリとした後味で、鼻に抜ける「オレンジ」の華やかな余韻が楽しめます。
もう少し酸味ある方が好みの方は、中煎りに焙煎した豆を選ぶと◎です。
【ウルラの森流】おすすめの淹れ方
「オレンジ感」を逃さないドリップレシピです。
豆の量: 18g(少し多めに使ってコクを出す
お湯の温度: 86℃〜88℃(高すぎると繊細な味わいが損なわれるため)
ポイント: 最初の「蒸らし」で香りを立てた後、中盤まではゆっくり、終盤はスッと注ぎ切ります。これで「重さ」と「軽やかさ」が綺麗に両立します。
まとめ:伝統と革新のクロスオーバー

インドネシアの豆って『頑固な職人』のイメージでしたけど、このコピ・ジェルクは『都会的なセンスも持った冒険家』って感じですね。

まさにその通り。伝統的なスマトラ式を守りながら、これほどクリーンでフルーティーな豆を作り上げた農家さんの努力の賜物だね。
苦いのは苦手だけど酸っぱすぎるのもちょっと…という方にこそ飲んでほしい、最高の中間地点に位置する豆。
聖地スマトラが生んだ、オレンジ色に輝く奇跡の一杯。
ウルラの森で、あなたもその「雨上がりの魔法」にかかってみませんか?
ウルラの森では今回ご紹介した自家焙煎コーヒー豆を『ULULA COFFEE ROASTER』で販売しています。



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