ウルラの森へようこそ。新人のグリーンです。
前回、抽出器具担当のシティから自分にぴったりのドリッパー(ハリオ V60)を選んでもらったグリーン。
道具も豆も揃い、いよいよキッチンに立ちましたが……目の前にある「お湯」をどう扱えばいいのか、またしても立ち止まってしまったようです。
今日の案内人は、淹れ方のコツ担当のシナモン。
コーヒーの香りが最も美しく花開く瞬間、その「魔法の唱え方」を伝授します。
プロローグ:震えるケトルと、優しい香り

……よし、準備はできた。豆も挽いたし、ドリッパーもセットした。あとはお湯を注ぐだけ……注ぐだけなんだけど……。えいっ!(ドバッ)

あらあら、グリーン! そんなに勢いよく注いだら、コーヒー豆がびっくりして溺れちゃうわよ

わわっ、シナモンさん! すみません、なんだか緊張しちゃって。テレビとかで見ると、細く円を描くように注いでますよね? あれ、実際にやろうとすると手がプルプルしちゃうんです……。どこから、どれくらい注げばいいんですか?

ふふ、大丈夫。最初は誰だって震えるもの。ハンドドリップはね、技術というより『豆との対話』なのよ。今日は基本中の基本、『のの字』の描き方を一緒に練習しましょう
淹れる前に確認!味の8割が決まる「三つの約束」

注ぎ始める前に、これだけは守ってほしい『三つの約束』があるの。これを守るだけで、味が格段に良くなるわ
| 項目 | ポイント | 理由 |
| ① お湯の温度 | 90度前後(沸騰後一呼吸置く) | 100度だと苦味やエグみが出すぎてしまうため。 |
| ② 器具の予熱 | カップと器具を温める | 温度が急激に下がると、美味しい成分が溶け出さないため。 |
| ③ 豆の挽き具合 | 中挽き(グラニュー糖より少し粗め) | 細かすぎると詰まり、粗すぎると味が薄くなるため。 |

グリーン、ハンドドリップなら『中挽き』がベストだよ。ペーパーフィルターにさっとお湯を通す『リンス』をすれば、紙の匂いも取れて一石二鳥だね
第一の魔法:香りを引き出す「蒸らし」の30秒

さあ、いよいよお湯を注ぐわよ。でもね、最初からたくさん注いじゃダメ。まずは『蒸らし(むらし)』からよ
「蒸らし」のステップ
- 粉全体が湿る程度に、少量のお湯をそっと乗せる。

あ! 見てください! コーヒーがモコモコって膨らんできました! 生きてるみたい!

それが新鮮な豆の証拠よ。豆の中のガスが抜けて、お湯を迎え入れる準備をしているの。このときコーヒーの香りが一番強く広がるのよ。
この『蒸らし』をサボると、お湯が豆の芯まで浸透せずに、スカスカな味になっちゃうの。焦らずに、香りを楽しみながら待つのがコツよ
第二の魔法:基本の「のの字」ドリップ術

膨らみが落ち着いたら本番。ここで登場するのが『のの字』の描き方ね

「のの字」の描き方のコツ
- 中心からスタート: 渦巻きを描くように、中心から外側へ「の」を書くイメージでお湯を置く。
- 「500円玉」の範囲で: 外側まで広げすぎないこと。
- 紙には直接かけない: これが一番大事! 紙にお湯をかけると、豆を通らずにそのまま下に落ちてしまうから。

の……の……。あ、意外と難しい! 外側に行くと、どうしても紙にお湯が当たりそうになります!

手首じゃなく、肘を固定して体全体で円を描くようにしてごらん。道具の重みを利用するんだ
4. 味が安定する「三段構え」の抽出法

ハリオV60の場合、一気に全部注ぐより、3回くらいに分けると味が安定するわ
1回目(蒸らし後): ゆっくり、丁寧に。味の「核」を作る。
2回目: 1回目より少し多めに、リズミカルに。「甘みとコク」を出す。
3回目: 必要な分量まで一気に注ぎ足し、「濃度」を調整する。
最後の試練:美味しいところだけを盗む「出し切り厳禁」

だんだんサーバーにコーヒーが溜まってきました! あ、ドリッパーの中のお湯が全部落ちきるまで待てばいいんですよね?

ストップ! それは最大の禁止事項よ!
プロの鉄則:出し切りは雑味の元
予定の量(1杯分なら150mlなど)が溜まったら、ドリッパーにお湯が残っていてもすぐに外します。
最後の方に落ちる液体には「エグみ」や「雑味」が含まれているからです。

……(サッ)……外しました! 確かに、最後の方の泡って白っぽくてあんまり綺麗じゃないですね
お悩み解決!グリーンが陥りやすい「失敗あるある」

シナモンさん、一応淹れられましたけど、なんだか毎回味が違う気がします……
原因1:お湯がすぐ落ちて、味が薄い!
注ぐ勢いが強すぎるか、豆が粗すぎるかも。もっと「置く」ようにお湯を乗せてみて。
原因2:逆に全然落ちてこなくて、苦すぎる……。
粉が細かすぎるか、注ぐ回数が多すぎて粉が詰まっちゃったのかも。

コーヒーの抽出は、お湯の温度、太さ、回数。 全部が繋がって一つの味になるのよ。
エピローグ:今日の一杯は、今日の味

(ゴクッ)……あ、美味しい! 前に自分で淹れた時より、ずっと香りが立ってるし、後味がスッキリしています!

おめでとう、グリーン! それが君の『魔法』が成功した証拠よ。完璧じゃなくていいの。毎日淹れているうちに、手が勝手に美味しいリズムを覚えていくから

コーヒーを淹れる時間は、自分を整える時間。さあ、次はどんな豆で試してみる?
今回のまとめ:美味しいドリップのポイント
- 温度は90度前後。沸騰直後は避ける。
- 「蒸らし」の30秒が味と香りの命。
- 「のの字」は中心から。紙に直接かけない。
- 予定の量まで溜まったら、お湯を落としきらずに外す
次は、あなたの「お気に入りの豆」を見つけませんか?
「自分好みの豆の選び方」について詳しく知りたい方は、この記事を参考にしてみてね。



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